縮小しているといわれているタブレット市場の中で、Windowsタブレットの存在感が増しているようです。
Windowsタブレットは主要な3つのOSの中で唯一シェアを伸ばしたそうです。そして、シェアをiPadから奪い取ったとか。
低調なタブレット市場の中で存在感を増すWindows
WMPower Userによると、2015年に出荷されたタブレット端末の台数は2億2,430万台だそうです。
これは、2014年の2億4350万台に比べて8%の減少となっています。
各OSごとのシェアと出荷台数をまとめると以下のようになります:
出荷台数(2014) | シェア(2015) | 出荷台数(2015) |
シェア(2015) |
変動率 | |
Android | 1億4,720万 | 60% | 1億3,690万台 | 61% | -7% |
iOS | 8,120万 | 33% | 6,340万台 | 28% | -22% |
Windows | 1,510万台 | 6% | 2,400万台 | 11% | 59% |
合計 | 2億4,350万 | 2億2,430万 | -8% |
この表から、Windowsタブレットの躍進が見て取れます。6%しかなかったシェアが11%にのびており、出荷台数も60%近くのびています。
一方、iPad(iOS)は大きくシェアも出荷台数も落としています。iOSが落としたシェアをまるごとWindowsタブが奪った形です。
Androidはタブレット市場の規模と同じように出荷台数が減った形です。
2-in1 タブレット(パソコン)の台頭によって潮目が変わる
アナリストによると、この変化はいわゆる2-in-1タブレット(パソコン)の台頭によるところが大きいそうです。
2-in-1タブレット(パソコン)とは、ノートパソコンにもタブレットにもなるデバイスのことです。キーボードが本体の変形によって隠れたり、キーボードが脱着可能であるものが含まれます。
Windows10およびSurfaceシリーズの登場とともに、Windowsタブレット市場に多くの2-in1タブレットが登場しました。そして、安いものから高級で高性能なものまであらゆるユーザー層を満足させるラインナップができたということです。
これにより、高級路線のiPadにも安い価格帯のAndroidにも対抗できる市場が形成されたとか。
Windows 10 Mobileとの連携と過去のハードウェア&ソフトウェア資産とともにさらに成長を続ける?
アナリストはWindowsタブレットの成長はさらに続くと考えています。
理由の1つ目は、ユニバーサルWindowsアプリの存在です。これは、1つのアプリを開発するだけで、パソコンからタブレット、さらにはスマートフォンまで対応したアプリにすることができるプラットフォームです。
最近ようやくWindows 10 Mobile搭載のスマートフォンが出てきました。スマートフォンが売れるにはやはりアプリの充実が重要ですが、Windows10の場合はアプリを1つ作るだけでスマートフォンだけでなく普及率の高いパソコンまで使えるものができてしまいます。
これはアプリ開発者にとっては大きな恩恵となります。アプリ開発者がやるきを出してくれればアプリの充実度は向上するのでしょう。そして、それは自動的にWindowsタブレットにも対応したアプリとなり、さらにWindowsタブレットの強さを増します。
2つ目の理由は過去のソフトウェア資産です。なんだかんだ言って、Windowsパソコンはデファクトであり、多くのハードウェア&ソフトウェア資産が存在しています。これらはiPadやAndroidタブレットでも使えるという保証はありませんが、Windowsタブレットなら可能です。
さらに、ソフトウェアがユニバーサルWindowsアプリになってくれれば、自宅のパソコンからタブレット、スマートフォンまで使えるものとなり、ユーザーの利便性は飛躍的に増すと考えられます。
Windows 10 Mobileの普及次第、かな?
しかしながら、これらのストーリーはWindows 10 Mobileがいかに普及するかというところにもかかっている気がします。
アップルもiPad Proで専用着脱式キーボードを用意したり、GoogleもPixel Cというタブレットを2-in-1にしています。
これらのメーカーはすでにスマートフォン市場で大きなシェアを得ており、そこからパソコン市場を侵食していくことも十分可能です。
マイクロソフトとしてはWindowsパソコンを盤石にしつつ、下方向に攻めていきたいのでしょうが、やはり肝心なのはWindows 10 Mobile搭載のスマートフォンでしょう。
今年、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンがどれだけ売れるか、そこに注目です。
追記:2015年のタブレット向けプロセッサー(CPU)のシェアも発表されました。
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