最近、テレビとの接続性を売りにしたオーディオ製品が次々と発売されていますが、また新しい製品が発売されます。マランツのNR1200という製品、HDMI入力が5入力もあるのに2ch専用という製品です。
7.2chのNR1710から2ch(2.2ch)のみ残す
このNR1200、筐体としては薄型AVアンプとして人気のNR1710と大きさは同じものを流用しています。
しかしながら、7chのAVアンプであったNR1710に対してNR1200は2ch分のアンプしか搭載していません。
つまり、サラウンド機能は使わずにステレオでのみ使うユーザーをターゲットとしているわけです。
マランツによると同社のAVアンプユーザーの26%はサラウンドとして使っていないそうです。1/4のユーザーはテレビの音のアップグレードという目的でしか使っていないということになります。
ここにターゲットを絞った製品ということになります。
同じコンセプトの製品にパイオニアのSX-S30があります。
私も愛用していましたが、オーディオとテレビが1つのアンプにまとまるのは便利でした。
サブウーファーを2ch残してくれているのがうれしい
地味にうれしいのが、サブウーファー出力は2ch残してくれている点です。
サブウーファー出力付きのプリメインアンプは1chしかサブウーファー出力がありませんが、オーディオ用途ならサブウーファーは2chあった方が効果があるといわれています。
ここを考慮して残してくれたのか、取っ払っても大してコストが変わらなかったのかはわかりませんが。。。
どうやらサブウーファー使用時にクロスオーバー周波数を設定する機能がないようです。ちょっと気になるところではあります。
音場調整は省かれた?
一方で残念なのが、マイクを使った音場調整機能が省かれていそうな点です。
マイクを使って部屋の反射音や音の特性を計測することで、自動的に音を調整する機能です。
パイオニアのSX-S30は対応していましたが、NR1200では省かれてしまっているように見えます。
特に、サブウーファーとの位相合わせは微調整が難しいのでアンプ側でできればよかったのですが。。。
HDMIの最新スペックにも対応
最新のスペックを搭載したNR1710からのカットダウンなので当然NR1200もHDMIは最新スペックです。
- ARC
- HDMI CEC
- 4K 60p 4:4:4 24bit
- 3D
- HDR10
- HLG
- BT.2020
- HDCP 2.3
また、音声出力の遅延を押さえるALLMモードという機能を搭載しています。これは Auto Low Latency Mode の略で、対応機器と接続すると自動的に低遅延モードになり音声の遅延を抑えてくれるのだそうです。
特にタイミングに厳しいゲームでの活用が見込まれます。
HEOSにも対応し、Amazon Music HDにもしっかり対応
オーディオ面でもハイレゾの音源(192kHz/24bit, DSD 5.6MHz)にも対応し、ネットワーク再生にも対応しています。
DACは旭化成のAK4458VNだそうです。これもNR1710と共通ですね。ただし、DACを4ch搭載し、L/Rそれぞれのチャネルで差動駆動しているそうです。
先日サービスが始まったアマゾンのハイレゾ音源配信サービスのAmazon Music HDにもしっかり対応しています。
オーディオユーザー向けに前面にトーンコントロール用のノブがついているのも特徴です。
他のテレビ兼用アンプと比べると?
最近発表されたテレビ兼用にできるアンプと比べるとNR1200はどんな感じでしょうか?
まず、デノンのPMA-150Hと比べると、HDMI端子を持っているとことが違います。PMA-150Hは光デジタル入力+オート電源ON+テレビのリモコンで制御可能というのに対し、NR1200はARC対応のHDMIなのでよりシンプルです。また、PMA-150Hがデジタルアンプなのに対してNR1200はアナログアンプです。アナログアンプの方が好きな人にはいいのではないでしょうか。
次にSonos Ampと比べると、どちらもHDMI端子を持っています。Sonos Ampが4chまで拡張できるのに対し、NR1200は2chまでです。一方、NR1200はHDMI入力を5chも持っているので、切り替えて使いたい人にはいい製品です。Sonos Ampもデジタルアンプです。
(追記): 結局、Sonos Ampを買ってしまいました。
サラウンドが不要な人には安くいい音が買える
定価はNR1710が90,000円なのに対してNR1200は78,000円と少し安くなっています。発売は2019年の10月中旬だそうです。
元々サラウンドを組む予定のない人には7chのうちの5chは無駄なわけで、その分いい音をお安く買えるのはありがたいです。
一方、ゆくゆくはサラウンドを組みたい人は最初からサラウンド対応アンプを買っておいた方がいいかと思います。
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