SIMロックフリーの格安スマホといえばほとんど素の状態のAndroidを搭載するのが一般的です。
2016年春から登場する「ARATAS」と呼ばれるスマホはこの点を改善し、低価格でありながら付加価値をつけたスマホのようです。
日本でデザインされた新興国向けスマホ
このARATASのターゲットはなんと新興国です。
最近、新しいスマホメーカーからAndroidスマホが出てきていますが、そのほとんどは日本国内のみをターゲットとしています。
ARATASは最初から新興国をターゲットにしているところが新しいです。
外観、ユーザーインターフェース、着信音を統合的にデザイン
ARATASの特徴として、外観のデザイン、ユーザーインターフェース(ホームアプリ)や着信音を統合的にデザインしているところがあげられます。
通常の格安Androidスマホはハードウェアとしての外観は多少こっているとしても、ソフトウェアとしてのホームアプリはデフォルトで壁紙をちょこちょこっと加えた程度しかありません。
ARATASはハードウェアとソフトウェアを統合的にデザインしているところに付加価値があるようです。
デザイナーには有名な方々を起用しているそうで、外装は元amadanaのデザイナー、ARATAS UIと呼ばれるユーザーインターフェースや音に関しても専門家を起用しているそうです。
これに加え、ニュース等のコンテンツを提供するアプリ ARATAS NET も開始するそうです。
第1弾の “KAZE01” および “KAZE02” は2016年春に発売
ARATASシリーズとして初の製品となる “KAZE01” および “KAZE02” は2016年春に発売されるそうです。
スペックを見るとどちらも同じようなものになっており、外装だけが異なるようです:
- CPU: Mediatek MT6735(4コア@1.3GHz)
- RAM/ROM: 1GB/8GB
- ディスプレイ: 5インチ 1280×720ピクセル
- バッテリー: 2,200mAh
- カメラ: 800万画素/200万画素
- OS: Android 5.1
- LTE: 対応
スペックとしては低めのミドルレンジといったところでしょうか。
価格は約19,000円(KAZE01)/17,000円(KAZE02)
気になる価格はKAZE01が160(約19,000円)ドル、KAZE02が140ドル(約17,000円)を想定しているそうです。
スペックにしては少し高めという印象を受けます。デザインによる付加価値というところなのでしょうね。
端末が販売されるのは、インド、インドネシア、フランス、フィリピン、スペイン、シンガポール、台湾、香港、マレーシア、バングラデシュ、ベトナム、南米、北米だそうです。
日本では当面は発売されず海外での売れ行きを見て検討するとか。
10,000円以下のLTE非対応端末 “NAMI” も開発中
KAZE02をベースに、4インチディスプレイカツ3G専用にした “NAMI” と呼ばれる端末も開発中だそうです。
こちらは80ドルだそうなので、日本円で1万円以下の端末になるのでしょうね。
新興国の中にはまだまだLTEの普及が十分でない国もあるでしょうから、そういった国々では受けるのかもしれません。
利益が出ない、横並びのAndroidスマホに風穴を開けるか?
ARATASの取り組みは非常に興味深いです。
これまでの格安Androidスマホは、ハードウェアもソフトウェアもすべて中国のメーカーが用意し、多少外装や壁紙を変えて日本で販売するという形でした。
簡単にスマホができるので便利なのですが、結果としてどこのメーカーも同じようなデザインおよびユーザーインターフェースのものが売られています。差別化ができていないので安く売らざるを得ず、利益がでないというのが現状です。
ARATASは外装だけでなく、ユーザーインターフェースや着信音/起動音にまで手を入れることで差別化を図り、利益を増やそうとしています。
あとはそれが素のAndroidよりも使いやすく魅力的になっているかどうかでしょうか。NTTドコモも独自のホームアプリを持っていましたが、正直あまり使いやすいとは言えなかったので。。。
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