水槽用品を利用した低温調理器の自作を試みています。
前回の記事でヒーターのサイズが合わなかった以外はうまくそろえることができました。代わりのヒーターも届いたのでいざ実戦です。
クーラーボックスに収まるヒーター、届く
前回、300Wのヒーターを買ってクーラーボックスに収まらなかったので200Wのものを買いなおしたのですが、今度は無事に収まりました。
(前回の記事はこちら)
パワーが足りるかどうかは試してみたいと思います。
早速セッティング
ヒーターとモーターを設置
まずはクーラーボックスの中にヒーターとモーターを設置します。
どちらも水槽用品なので吸盤がついており、底面や側面に張り付け可能です。
モーターは側面に張り付けて横向けに水が排出された方がよかったです。
なお、お湯を入れた後は手を入れられなくなるので、位置や吸盤のくっつき具合は入念に確認することをお勧めします。
サーモスタットをつけて材料投入
すべてのものをセットした後の全景がこちらです。ヒーターをサーモスタット全面のコンセントにつなぎ、モーターは直接壁面コンセントにつなぎます。見ての通り、非常にシンプルです。というか、低温調理器はしょせんこの程度のもの、ということですね。
初めての試みだったので今回はタイマーはつないでいません。
サーモスタットとして使ったKKmoonのTMC-2000ですが、温度測定もオン/オフの設定も0.1度単位にできて高機能です、が低温調理用途にはオーバースペックです。
中には普通の鶏むね肉を一枚入れています。これだけ調理する分には水はそれほど必要ありませんでした。
サーモスタット(TMC-2000)の使い方は非常に簡単でした。Stop Settingで電源供給がオフになる温度を設定し、Start Settingで電源供給がオンになる温度を設定します。すると、一度Stopに達すると電源供給がオフになり、Startまで落ちるとオンになります。今回は55度で鶏むね肉を調理するため、Start=55.0、Stop=55.1としました。
念のため、手持ちの温度計の温度と比較しましたが、TMC-2000の温度とほぼ一致していました。
調理中はふたを閉めて
このAstageのモンタナというクーラーボックス、いい意味で作りが緩く、ヒーターとモーターの太いケーブルを挟んだ状態でロックができてしまいます。うれしい誤算です。
こうなれば熱の漏れも少なく、ランニングコストも抑えることができるでしょう。中のお湯は55度で熱かったですが、クーラーボックスの外は全然熱くなく、しっかり熱を遮断しているようです。
前回の記事では、蓋を外して発泡スチロールの蓋をつけようかと書いていましたが、必要ありませんでした。
ちなみに、モーターの振動がクーラーボックスに伝わって意外と音は大きいです。静かな方がいい場合はモーターをつけない方がいいかも。
ヒーターは200Wで十分だった
今回は55度という比較的低い温度での調理ではありましたが、サーモスタットが電源供給をオフにしている時間の方が長く、200Wで十分だったようです。
より高い温度での検証は別の料理をやるときにしたいですが、なんとなく200Wで十分ではないかな、と思います。
温度は見ていると55度~56度くらいを行き来している感じです。ヒーターを切ってもしばらくは熱が残るのでどうしても56度くらいになってしまうのでしょう。
仕上がりは上々
55度で一時間調理した鶏むね肉がこちらです。沸騰したお湯で煮るのと比べて、明らかにジューシーさが見た目にも食べた感じにも違います。
これは成功なのではないでしょうか。
コストは安く、味はおいしく
今回かかった費用をまとめると以下のようになります:
ヒーター | 1,900円 |
サーモスタット | 3,000円 |
モーター | 1,000円 |
3口→2口変換 | 400円 |
クーラーボックス | 900円 |
合計 | 7,200円 |
クーラーボックスという余計なものを入れても市販の低温調理器よりもはるかに安く作ることができました。クーラーボックスのおかげで温めのコストも少なくなっているはずです。
はんだ付けとか電子工作なんてやらなくても組み合わせるだけでできてしまいます。低温調理器が欲しいけど価格や大きさで迷っている人はぜひ自作も検討してみてください。
最後に、クーラーボックスを使うメリットはもう一つあります。
片づける際、クーラーボックスの中の水分がなくなればこんな感じですべての部品をクーラーボックスで保管できます。素晴らしい。
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