2017年版iPhoneのプレミアムモデルであるiPhone 8には4.5メートルも離れたところから無線で充電できる技術が採用されることがうわさされてきました。
しかしながら、どうやら今のところこの技術は採用されない見込みだそうです。
代わりに一般的に使われているQi互換のものになるとか。
離れたところから無線で充電できるEnergousの技術
採用がうわさされていたのはEnergousの長距離無線充電技術です。
この技術では、5GHzの電波を充電したいデバイスに向けて放射することで離れたところにある機器を充電できます。
Qi等の現在世の中に出回っている無線充電技術は充電用のパッドの上に機器を置かなくてはなりません。充電用のケーブルを刺すよりは楽ですが、充電ができる場所や電源からのケーブルという意味では変わりません。
Energousの技術を使えば、電波の送信機のみが電源の近くにあり、デバイスは有効距離内であればどこにあってもかまいません。「使いながら充電」も気軽にできます。
アメリカのFCCが未承認
しかしながら、この技術はアメリカのFCC(連邦通信委員会)の承認が得られていないそうです。
非常に小さい電力かつ数インチの距離であれば承認されているそうですが、Energousがもくろんでいる4.5メートルで実用的に充電できるような送信機は現状の規則に対して違反となるとか。
規則が変更される見込みも現状ないそうで、iPhone 8にこの技術が採用される見込みは低くなりました。
代わりに、QiやAirfuelといった既存の規格にのっとったものになるようです。
スマホだけでなく様々な機器に役に立つ技術だけど
このEnergousの技術、スマホの充電だけじゃなく様々な機器に応用ができます。
極端な話、家を建てる際にすべての部屋のすべての場所を有効半径内に入れてしまえば電源ケーブルが一本もいらない生活が実現できます。
電源タップの場所と機器の場所は切っても切り離せないものであり、設置の際に大きな問題となるわけですが、この問題が一気に解決できます。IoT機器にとっても喉から手が出るほどほしい技術ではないでしょうか。
もちろん、法律的な話以外に、効率や人体や他の無線機器への影響という問題もあるかと思います。iPhone 8に採用されないからといってここで終わらずに技術開発を継続してほしいですね。
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