スマホのカメラの悩みの種の1つに「ズーム」があります。
筐体のサイズが制限されるスマホではどうしてもズーム倍率に限りが出てしまい、専用のデジカメに勝てない点の1つとなっています。
OPPOが発表した新しい技術ではスマホの薄さをそのままに5倍の光学ズームレンズを搭載することが可能になるそうです。
最も勢いのあるメーカーの1つであるOPPO
OPPOというスマホメーカーは日本ではなじみがありませんが、世界では最も勢いのあるメーカーの1つです。
以下の記事にもある通り、2016年のスマホ出荷台数は2015年に比べて倍以上に伸びています:
デュアルカメラでズームを実現
OPPOの技術では、通常の倍率のカメラと5倍の倍率のカメラの2つのカメラを実装することでズームレンズを実現します。
この方法は最近のスマホの流行となっており、iPhoneも同様の方法で2倍のズームを実現しています。
しかしながら、より高いズーム倍率を実現するにはより容積を必要とするレンズ群が必要になり、スマホの厚みを増やしてしまうのが悩みでした。
Android Centralによると、OPPOの技術では1つのカメラは今まで通り実装するのに対し、5倍ズームのカメラはプリズムを使って90度傾けた状態で実装します(下図):
これにより、端末の横方向には実装容積が必要になりますが、厚さ方向には容積を抑えることができます。
このレンズ群は5.7mmしかないそうなので、最近のスマホの暑さにも十分フィットします。
スマホのカメラをより進化させる技術となるか
この2つのカメラを使った光学ズームはデジタルカメラのいわゆる「ズームレンズ」とは異なる方式です。
通常のデジタルカメラはレンズ群を動かすことでズームを実現しますが、OPPOの方式では2つのカメラを切り替えるあるいは2つの画像から補完することでズームを実現します。
過去にはデジタルカメラの方式でズームを実現したスマホも存在しました。
ASUSのZenFone Zoomと呼ばれるこの製品でも、OPPOと同じように90度傾けてレンズ群及びセンサーを実装することで光学3倍ズームを実現していました。
しかしながら、その代わりに厚みが約12㎜で重さが185gという5.5インチスマホにしてはかなりサイズが大きくなってしまいました。
このためなのか売れなかったからなのか、次世代のZenFone Zoom3ではやはりiPhone方式の2つのカメラを搭載しています。
現在のスマホの姿かたちを保った形でズームを実現するにはiPhoneあるいはOPPOの方式が適しているのでしょう。
OPPOのこの技術が搭載されたスマホがいつ搭載するかは不明ですが、2017年のフラッグシップに搭載されるのではないかと予想されています。
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