Wi-Fi アライアンスが新しい規格を発表しました。
Wi-Fi TimeSync と名付けられたこの規格、無線LAN経由で複数の機器を同期して動作させることが可能です。
どのような用途に役に立つのでしょうか?
マイクロ秒以下の精度で同期可能
MS Poweruserによると、この Wi-Fi TimeSync を使うと、複数の機器をマイクロ秒(100万分の一秒)以下の精度で同期させることが可能になるそうです。
これだけの精度があればたとえば複数のスピーカーがあたかも配線で接続されているかのようにを同期させて動作させることができます。
たとえば、バッテリーを搭載したWi-Fiスピーカーでの完全ワイヤレスでのマルチチャンネルオーディオや、あるいはツイーターとウーファーを分離させて配置してより高音質を目指すことができるかもしれません。
また、ディスプレイとスピーカーを同期させることもできますので、映画を手元の機器で再生しつつ画面やスピーカーは自由な配置を実現できます。
スピーカー以外にも広がる応用範囲
ぱっと思いつくのは映画やオーディオといった応用ですが、そのほかにもこの Wi-Fi TimeSync は応用が考えられているそうです。
その例としては、
- ヘルスケア分野
- 複数の機器を体にとりつけ、それらの同期された情報により健康のサポートを行う
- 産業分野
- 工場のライン上の機器の診断を統合的に行う
- 複数のセンサーを同期させて監視することで正確に機器が動作しているか監視する
- 自動車分野
- 複数のカメラからの映像を同期して取り込む
- ワイヤレスヘッドホンと後部座席のスピーカーの音を同期させる
といったことが考えられているそうです。
確かに、無線で接続された機器同士の同期が保証されれば、できることは格段に広がりそうです。
異なるメーカーの機器同士でも動作することが重要
最近は、アップルのAirPodsをはじめとして、いろいろなメーカーが左右のヘッドホンやスピーカーをワイヤレスで接続する機器を発売しています。
しかしながら、それらはあくまでそのメーカーのそのヘッドホンやスピーカーでどうさするものであって、機器を買い替えたりメーカーを変えると使えなくなってしまいます。
今回のWi-Fi TimeSyncは共通規格ですので、この規格にのっとっていればメーカーを問わず同期がとれるはずです。
配線のない、スマートな生活がより近づいてきたといえそうです。
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