QualcommのSnapdragonシリーズといえば、多くのスマホに搭載されているデファクトのSoCです。
そんなSnapdragonシリーズの新しいフラッグシップが発表されました。
Snapdragon 835 と呼ばれるこのSoCは デスクトップ版 Windows 10 にも対応するそうです。
小型かつ高性能に
このSnapdragon 835 の特徴として、まず、サイズがSnapdragon 820 に比べて30%小型化されていることが挙げられています。
SoCのサイズが小さくなれば、その分スマホを小さくしたり、薄くしたり、あるいはバッテリーサイズを大きくすることができます。
また、消費電力は25%削減され、GPUも25%の性能向上が図られているそうです。
デスクトップ版 Windows 10 に対応する初めてのARM
さらに、この Snapdragon 835 の特徴として、以前Microsoftが発表したARM版 Windows 10 に初めて対応するSoCであることがあげられます。
従来もARMで動作するWindowsとして Windows RT というものがありました。しかしながら、ハードもソフトも出そろわず、いつの間にか消えてしまっています。
これに対して Snapdragon 835 で動作するWindowsはフルバージョンの Windows 10 だそうです。しかも、Intel の x86 向けプログラムもバイナリトランスレーションで動作するとか。
Windows 10 用 PC として Intelとの差別化はできるのか?
スマホ向けのハイエンドSoCとして Snapdragon 835 はどんどん使われていくことでしょう。
気になるのは、PCとしての需要です。すでに、Intel製のCPUを使ったタブレットPCは非常に安く売られています。これに対して、Snapdragon 835を使ったPCはどのような訴求をしていくのでしょうか?
従来のx86向けプログラムが動作するとは言っても、x86上で動かした時よりは低速でしょうし、マイナーなソフトまで100%の互換性が保証されるとも限りません。その意味では同じ性能なら高速というアピールも難しそうです。
Microsoft Officeが動作すれば仕事ができるビジネスパーソンにとっては、筐体が軽くて小さくてバッテリーが長持ちというアピールポイントはあるかもしれませんが、なかなか新しいものの大量導入には勇気がいりそうです。
その意味では、まずはスマホで数を確保し、徐々にPC分野に手を広げていくような戦略をとるのでしょうか。
スマホの出荷台数も頭打ちになっていく中で、新たな分野に進出しようとするQualcommと、モバイル分野をあきらめたIntelの戦いが始まりそうです。
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