ワシントン大学が既存のWi-Fiルーターを利用して無線でバッテリーを充電できる技術を発表しました。
これがあれば家の中にいるだけでバッテリーがチャージされることになるかもしれませんね。
Wi-Fiの信号を充電用の電力として利用
この技術はPoWiFiというそうです。
簡単に言うと、Wi-Fiを含め、無線は電力を電波に変えて飛ばしているわけなので、逆に電波を電力に変えれば充電ができるというわけです。
ただ、普通のルーターは通信しているときは電波を出しますが、通信しない時は電波を止めます。これだと、充電として不十分なので、通信していない時でも「ノイズ」として電波を出すことで充電用の電力を供給するのだとか。
実験結果としては、28フィート(約8メートル)の範囲で電力を供給することに成功したそうです。
すぐにスマホやタブレット用の充電には使えない
残念ながらすぐにはスマホやタブレット用には使えそうにありません。現在の法律では、1ワットまでしてルーターの電波の出力が認められていません。iPhoneの充電には5ワットが必要なので全然足りません。
ただ、法律を変えるのか、あるいはスマホ側を変えることによって問題は解決できるかもしれません。この方式だと、家の中にありさえすれば充電できるので、いつも通り使っていても充電ができてしまいます。したがって、時間がかかってもいいから少しずつ充電してくれるという条件であれば、1ワットで充電できるようにスマホ側の仕様を変えてしまうのもありではないかと思います。
家の中だけでなく映画館でもカフェでも
Wi-Fiがありさえすればいいという意味では、家の中だけでなく、外でも充電ができてしまいます。
たとえば、映画館で2時間映画を見ている間に充電ができてしまうサービスとか。カフェでお茶をしている間に充電できるとか。
フル充電にはならないかもしれませんが、少し使って少しチャージしてということを繰り返すことができますので、結果的に連続使用時間は伸びるのではないでしょうか。
すでに無線充電技術はあるけど
すでにワイアレス充電技術は実用化されていて、Qi(チー)と呼ばれる規格が一部のスマホやタブレットに搭載されています。が、いまいち普及していません。
思うに、無線とは言っても、特定の場所に置かなくてはいけないのが問題なのだと思います。ユーザーとしては常に端末を使っていたいわけですが、Qiの上に置いてしまうとそれができなくなります。従来の充電であれば、ケーブルの制約はありますが、充電しながらの使用も可能です。
そういった利便性を無くしてしまうのでQiはいまいち盛り上がらないのでしょうね。
すぐに実用化はされないだろうけど期待したい
まだまだ実験段階でしょうから実用化は先なのでしょうが、かなり利便性が高まる技術だと思います。
また、健康への影響というところも気になります。無線の電波が健康に何らかの悪影響を及ぼしているのではないかという話もありますので、至近距離で強力な電波を浴び続けることに問題がないかしっかり検証してもらいたいです。
そして、技術課題をクリアして早く市場に出してほしいものです。
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