リリースが予告されていたSonos ArcでのAmazon MusicのDolby Atmos(空間オーディオ)音源とUltra HD(ハイレゾ)音源再生機能がついに利用可能になりました。我が家のSonos Arc + Sub + Symfonisk環境で早速試してみたのでレビューしたいと思います。
レビューも含めたSonos Arc, Sub, Symfonisk関連の記事はこちらを参照ください:
SonosのハイエンドサウンドバーであるSonos Arcに関するレビュー記事です。
Sonos S2 バージョン13.4.1でAmazon MusicのDolby AtmosとUltra HDに対応
Sonosは2021年12月7日に、Sonos S2のバージョン13.4.1をリリースし、Amazon MusicのDolby Atmos(空間オーディオ)音源とUltra HD(ハイレゾ)音源の再生機能に対応したことを発表しました。
Amazon Music Unlimitedの会員は、Amazon Music Ultra HDオーディオとDolby Atmos Musicを対応Sonos製品で再生できるようになりました。
https://support.sonos.com/s/article/3521?language=ja
これらの機能は年内の対応を予告していましたが、12月になって予告通りリリースされました。
それにしても、大きなアップデートなのでバージョン14とか13.5になるのかと思いきや、まさかのマイナーバージョンアップとは。元々バージョン13.4でリリースするはずが延期になっていたとかでしょうか。
無事にDolby AtmosとUltra HDの再生を確認
早速我が家のSonos Arc + Sub + Symfoniskの環境で再生してみました。
結果、Dolby Atmosによる空間オーディオ音源も、Ultra HDフォーマットのハイレゾ音源も無事に再生できることを確認しています。
対応音源を再生している場合、タイトルの右下に「Dolby Atmos」や「ULTRA HD」の表示が現れるようです。
なお、Sonos製品でAmazon MusicのDolby Atmos/Ultra HDの楽曲を再生するには、Amazon Music Unlimitedの契約が必要です。
現状は色々と不満が多い
無事対応したのは良いのですが、現状は色々と不満点があります。
Dolby Atmos対応音源は玉石混合
Dolby Atmos対応音源をいくつか聴いてみたのですが、その効果は玉石混合です。
ColdplayのMusic Of the Spheresのような、元々Dolby Atmosを前提に作られた音源の場合、音楽に包まれるような高い効果を感じます。
しかしながら、Dolby Atmos音源を名乗っているものの中には、単にバーチャルサラウンド的な効果を付加したのにすぎないものも存在し、その場合はSonosのアンビエントモードの効果とあまり変わりません。いい方は悪いですが、なんちゃってDolby Atmos音源といったところでしょうか。
また、日本の楽曲はDolby Atmosに対応したものが少ないです。目立ったところだとAdoのうっせぇわくらいでしょうか。
これからDolby Atmosを前提に作られた曲が増えていくことを願うばかりです。
Dolby Atmos/Ultra HD音源かどうか再生しないとわからない
前述の通り、再生画面にはDolby Atmos/Ultra HD音源であることが表示されるのですが、検索画面には表示されません。
このため、Amazon Musicアプリで確認してからSonosで再生するという手間が発生します。
フィルタリングすることもできないため、不便です。
ここは改善してほしいところですね。
Dolby Atmosをオフにすることができない
Dolby Atmos対応音源を選んだ場合、再生すると常にDolby Atmosとなり、通常の2chでの再生ができません。
Dolby Atmosではなく、Ultra HDで再生したいと思っても、Dolby Atmosが優先されるようです。
Dolby Atmos前提で作られた曲でないなら、普通の2chで聴きたいと思うのですが、それができません。
360 Reality Audioには非対応
これはわかっていたことですが、ソニーの360 Reality Audioに対応した空間オーディオ音源は再生できず、2chの音源となります。
ライセンスの関係で難しいのかもしれませんが、ユーザーとしては両方に対応してほしいものです。
Sonosでなく、Amazon側が変換してくれても良いので、なんとかならないものでしょうか。
手持ちのハイレゾ音源は相変わらず制限が厳しい
アップデートで手持ちのハイレゾ音源の再生可能楽曲が増えるかと期待しましたが、変わらないようです。
24-bit/44.1kHzのFLACは再生できますが、96kHz/192kHzのものは再生できませんし、DSDはそもそも検出されません。
Amazon Musicで再生できるようになったのは24-bit/48kHzのもののみらしいので、仕様通りといえば仕様通りです。
検索がいまいち(Dolby Atmos Music on SonosやUltra HD Music on Sonosすら見つからない
これはSonosというよりAmazon Musicの問題なのですが、Dolby AtmosやUltra HD対応曲を検索するのが難しいです。
SonosはAmazon MusicでDolby AtmosやUltra HDを堪能できる楽曲を集めたプレイリストとして、Dolby Atmos Music on SonosやUltra HD Music on Sonosというプレイリストを公開しているのですが、これらすらなぜかキーワード検索で出てきません。
これはSonosアプリだけでなく、Amazon Musicアプリでも同様なので、データベースがおかしいのかもしれません。
また、先述の通りSonosアプリにはDolby AtmosやUltra HDの曲でフィルタリングする機能がなく、再生してみないとわかりません。
ちなみに、上で紹介したプレイリストは以下の場所にあるので、そこからマイミュージックに追加すればSonosアプリから再生できます。
特にDolby Atmosのほうはおすすめです。
仕様としては完成したけど、サービスとしてはまだまだかな
今回のアップデートで空間オーディオとハイレゾ音源再生に対応し、Sonosは仕様としては完成形になったのではないかと思います。
しかしながら、使い勝手には色々と不満があり、改善の余地があります。
アプリのアップデートで対応できるものが多いと思うので、今後の改善に期待したいと思います。
コメント