フリーテルのSAMURAI 雅(MIYABI)の特徴として、急速充電に対応しているという点が挙げられています。
先日購入したのでどのくらい高速なのか試してみました。
https://gadgetsmartphone.net/freetel-%e3%81%ae-samurai-%e9%9b%85miyabi-%e3%83%96%e3%83%a9%e3%83%83%e3%82%af%e3%81%8c%e5%88%b0%e7%9d%80%ef%bc%81%e4%b8%bb%e3%81%ab%e5%a4%96%e8%a6%b3%e3%81%aepolaroid-pigu%e3%81%a8%e3%81%ae/
追記(10/14):付属の充電器以外で充電した結果を追記しました(記事末尾)
MediatekのPump Expressに対応?
miyabiに搭載されているCPUはMediatek社製のため、急速充電はおそらくPump Expressであると思われます。
ドコモのスマホによく採用されているQualcomm社のQuick Charge 2.0とは異なるものですが、どちらも同じ仕組みで充電速度を高速化しています(ただし互換性はなし)。
スマホの充電機能は主にUSBポートを介して行われます。USBの規格として、電圧が5Vで電流が500mA以下という制約があり、これが結果的にスマホの充電速度を制限する要因になっているわけです。
Pump ExpressもQuick Chargeも供給電圧や供給電流を上げてしまおうというところがミソになります。
供給できる電力があがればより高速に充電ができるわけです。
付属の充電器とUSBケーブルが高速充電に対応
miyabiは付属の充電器とUSBケーブルが高速充電に対応していると公式ブログで発表されています。
Pump ExpressもQuick Chargeも、スマホに接続されている充電器とUSBケーブルがその規格に対応しているかどうか確認して高速充電を適用するか判断する必要があるため、対応している機器が必要となります(USBケーブルまで本当に必要なのかについてはわかりません)。
当然、通常の充電器に比べてコストアップにつながりますので、miyabiに高速充電対応の充電器が付属しているとするとかなりうれしいことになります。
0%からの充電時間を確認
前置きが長くなりましたが、充電時間の検証です。
miyabiのバッテリーを0%まで使い切り、付属の充電器とUSBケーブルにつなぎ、電源を入れた状態で約1時間放置しました。
その際の残りバッテリー容量のグラフがこちらです:
60分で63%まで充電が完了しました。雅(MIYABI)のバッテリーの残り容量は1分間に1%増加していっているようです。
これが果たして高速なのか?といわれると。。。
アスキーの記事によると、QualcommのQuick Charge 2.0に対応したGoogleのNexus6の場合、1時間で83%まで充電が完了したそうです。Nexus6のバッテリー容量は3,200mAhなのに対し、miyabiは2,200mAhのようですので、Nexus6に比べるとかなり低速であるといわざるを得ません。
また、こちらのブログによると、Quick Charge 2.0に対応したArrows NX F-05Fの場合、1時間で53%まで充電が完了したそうです。これには勝っているかと思いきや、こちらもバッテリー容量が3,200mAhです。バッテリー容量が約1.5倍ですのでやはり負けているといわざるを得ないかと。。。
ちなみに、上記ブログでは急速充電を行わない場合の値も記されていて、この場合は1時間で50%だそうです。そもそも、F-05Fの場合は急速充電とそうでない場合の差が少ないようです(100%になるまでの差が30分だったとか)。
急速充電といっても必ずしも速いとは限らないみたいですね。
ちなみに、上記画像はまだ買ってから2回目の充電後なので、まだリチウムイオンバッテリーがこなれていないと思うので、使用時間は参考程度です。動画は見ない、ゲームはしない、買ったばかりなので頻繁にいじるという条件で27時間ほど持ったので、私の使い方では丸1日の使用には耐えられそうです。
せめて立ち上がりが速いとうれしかったんだけど
「高速充電」の嬉しさは、100%になるまでの時間が速いというのもありますが、ある程度のバッテリー容量まで充電する時間が短いというのがうれしいところになります。
実際、上記のアスキーの記事でも、1時間で83%まで充電できたのに対し、100%まで充電するのには110分かかっています。
miyabiの方は、53%まで50分、63%まで60分、93%まで102分、96%まで114分、98%まで120分、100%まで130~140分(100%になる瞬間が見えなかったので幅があります)と、最後が多少充電が緩やかになっているものの、途中までは割とリニアに充電済みバッテリー容量が増加しているようです。53%に至るまでも時々目視していた限りでは1分に1%ほどでした。
残念ながら立ち上がりが非常に速いというわけでもなさそうです。
そもそも付属のACアダプタのスペックは?
気になって付属のACアダプタ(充電器)のスペックを確認したところ5V/1.5Aとありました。したがって、供給できる最大の電力は7.5Aのようです。
一方、MediatekのPump Expressの規格を確認すると、
Pump ExpressTM is designed for DC wall chargers with an output of less than 10W (5V), while Pump ExpressTMPlus is for chargers with an output of 15W or more (up to 12V).
となっていますので、Pump Expressで5V/2A以下、Pump Express Plusであれば5V/15A以上の電力供給となっています。
miyabiに付属しているACアダプタは5V/1.5Aなので、Pump Expressの限界までは至っていないものの、一応USBの規格(5V/500mA)よりは高速に充電できる能力(3倍?)はあるみたいです。
Pump Expressの規格上の能力は?
そもそもmiyabiが対応しているPump Expressの規格はQuick Charge 2.0と比べてどうなのでしょうか?
ドコモのスマホによく採用されているQualcomm社のQuick Charge 2.0の規格を確認すると、スマホ用と思われる規格が、
Quick Charge 2.0 Class A :5/9/12V
Quick Charge 2.0 Class B :5/9/12/20V
となっています。
こちらのQuick Charge 2.0完全対応をうたっているACアダプタは、
DC 5V/1.8A、9V/1.8A、12V/1.4A (3電源自動切替)
となっていますので、9W~16.8Wの供給電力であるようです。
規格上はPump Expressが10Wなのに対し、Quick Charge 2.0が9W~16.8Wなので、Quick Charge 2.0の方が高速である可能性があります。
上位規格のPump Express Plusなら15W以上なのでQuick Charge 2.0以上になれるようですが、miyabiに付属するACアダプタの能力から言ってPump Expressなのでしょうね。。。
付属の充電器以外で充電した場合を検証予定
今回の検証では残念ながらmiyabiの高速充電機能が驚くほど高速であるという結果は得られませんでした。
検証を継続して、付属の充電器以外で充電した場合も試して、続報としてこの記事を更新したいと思います。
追記(10/14):付属の充電器以外で充電した場合の結果
試しに付属の充電器ではない充電器(Polaroid piguのもの)で充電してみました。
この充電器は5V/1Aなので、miyabiの5V/1.5Aよりは供給電力が小さく、Power Expressにも対応していないと思われます。
充電中のグラフがこちらです:
目視していた限りでは。60分で48%、80分で66%、138分で92%といった充電時間でした。付属の充電器の場合は50分で53%だったので、確かに付属の充電器を使った方が高速であるということが言えそうです。
ただ、これ以上の電力が供給できる充電器を使った際にどうなるかは、持っていないため、検証することができません。もしかするとさらに高速に充電できたりするのかもしれません。
追記(10/19):Quick Charge 2.0の充電器だとどうなるのか実験してみました。
https://gadgetsmartphone.net/quick-charge-2-0%e5%af%be%e5%bf%9c-choetech%e3%81%aeusb%e5%85%85%e9%9b%bb%e5%99%a8%e3%81%a7freetel-%e9%9b%85%e3%81%af%e6%80%a5%e9%80%9f%e5%85%85%e9%9b%bb%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b/
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