Raspberry PI 3B+ 登場 オーディオ的な音質には影響がある?

付属の電源ケーブルを接続したTerra-Berry 2 DAC ガジェット

Raspberry piの最新バージョンである Raspberry pi 3B+が発売されました。

ここではオーディオ用途にRaspberry piを使う用途で、既存のRaspberry pi 3から違いがあるか、3から乗り換える価値があるのか考察したいと思います。

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SoCが更新され、熱管理がよくなり、ネットワーク接続が高速化

Raspberry pi 3B+でのアップデートは大きく分けて5点です。

  1. SoCがBCM2837B0に更新
  2. 放熱性能の向上
  3. ネットワーク接続の高速化
  4. 消費電力の増加
  5. USBハブチップの変更

それぞれについて考察していきたいと思います。

SoCの高速化

Raspberry pi 3B+では搭載するSoCがBroadcomのBCM2837からBCM2837B0に変更されています。

名前がほぼ同じであることから分かるように、ステッピングが違うだけで同じSoCです。違いがあるのが動作周波数で、BCM2837の1.2GHz駆動から1.4GHz駆動に性能が向上しています。ベンチマークでは15%以上の性能向上が見られたそうです。

元々Raspberry piの時点で性能的にはオーディオ用途には十分でしたので、この点はあまり音質には影響がないものと思われます。

ただし、SoX等を使ってカリカリにチューニングした場合にはこの性能向上が効いてくるかもしれません。

放熱性能の向上

Raspberry pi 3B+では、放熱性能を向上させるため、SoCにヒートスプレッダがついています。以下の写真の左側が3、右が3B+ですが、SoCの部分の色が違うのがわかるかと思います(3B+が銀色):

金属製のヒートスプレッダをSoCの上に取り付けることで放熱性をよくしています。パソコン用のCPUでは今では普通に使われる技術ですね。

オーディオ用途では安定して長時間再生を続けることが求められます。音質に直接的な影響はないですが、音楽再生環境としては安定感が増したといえそうです。

ネットワーク接続の高速化

Raspbbery pi 3では有線LANは100Mbps、無線LANは2.4GHzのみの対応でした。

3B+ではこの点が改善され、有線LANが1000MBps(1Gbps)、無線LANは5GHzの802.11 acに対応しています。

ただし、これらはSoCと低速なUSB 2.0で接続されているため、最大接続速度は200Mbps程度にとどまるとか。

また、細かいところではBluetoothも4.1/BLEから4.2/BLEになっているとか。4.1に比べて低消費電力になり、6LowPANに対応し、パケットサイズが最大10倍になっているそうです。

ネットワーク接続速度が向上すると、NASやストリーミングサービスを利用した時の安定度が増すかもしれません。が、音楽再生用途では100Mbpsでも十分ですし、ラズパイ上の小さなアンテナで飛びづらい5GHzの無線LANを使うのは苦しそうなので、音楽再生用途にはあまり影響はないかもしれません。

ちなみに、WiFIに関しては、Volumio公式ブログのテストでは、2.4GHzであっても3に比べて3B+は転送速度の向上が見られているそうです。こればっかりはそれぞれの室内環境に依存するので、3B+単体でWiFi接続でハイレゾ音源が再生できる!とは言えないかもですが。。

消費電力の増加

ここまではいい点でしたが、最後は悪い点です。

SoCの高速化に伴い、消費電力が増加しています。Raspberry pi 3の時点で2.5AのACアダプタが求められていましたが、この点は3B+でもスペック上は変わらないそうです。

しかしながら、公式に「より高品質な電源」が推奨されているとか。

オーディオ用途ではもともと高品質が電源が求められていますが、ラズパイ上にスタックするI2Sオーディオで電源をラズパイから供給される場合、3B+の消費電力増加によって供給される電源の質が悪くなって音質が悪くなることは考えられるかもしれません。

Volumio公式ブログの測定では、3B+はアイドル時に2.1W、負荷が高い時に3.5Wという消費電力だったそうです。3に比べて増加しているとは述べていますが、3がどの程度だったかについては述べられていません。

USBハブチップの変更

これは公式には発表されていないそうなのですが、3B+ではUSBハブチップに変更があるそうです。

以前はMicrochip製のLAN951xが使われていたそうです。このハブには10/100Mbpsの有線LANコントローラもついていたそうなのですが、3B+での1000Mbps化に伴いLAN7515というGigabit Ether対応のものに変更されたとか。

実はRaspberry piシリーズにはUSBのパケットロスが起こるという問題があるそうです。これにより、USB DACでの音楽再生がとぎれとぎれになる可能性があります。実際私もDSDファイルを再生する際にこれ起きていました。3B+では改善されるかも?という期待があります。

Volumioの公式ブログがこの件を検証したそうです。それによると、

  • USBドライブあるいはWiFi接続のNAS上の音楽ファイルをUSB DACで再生するとまったく音楽が途切れる問題が起きなくなった
  • Ethernet接続のNAS上の音楽ファイルをUSB DACで再生すると前より悪くなった

そうです。

ブログでは、LAN7515の転送帯域が高い時に問題が起きているようだが、以前のようにUSB DAC単体接続でもパケットロスが起こるような問題はなくなっていると結論付けています。ソフトウェアの改善で転送帯域が高い時の問題も解決するのでは?とも言っています。

結論 :高品質な電源を用意することさえできれば3B+がおすすめ

以上のことより、3B+が3に比べて劣っているのは消費電力の増加という点だけのようです。

高品質な電源を用意するか、あるいは別電源を供給できるI2Sオーディオ(TerraBerry DACシリーズのような)を使う分にはRaspberry pi 3よりもRaspberry pi 3B+を使う方がお勧めといえそうです。

現在3を使っている人も乗り換える価値があるかも

では、現在オーディオ用途で3を使っている人が3B+に乗り換える価値があるか?というと、その日の現在の状況に依存しそうです。

以下に該当する人は乗り換える価値があるかもしれません:

  1. USB DACで音切れ、音飛びが発生している → 3B+でのUSBハブチップの変更で改善するかも
  2. ネットワーク接続速度あるいはWiFiの電波の問題で音切れ、音飛びが発生している → 3B+でのネットワーク接続速度の向上及びアンテナの改善で改善されるかも
  3. 負荷をかけると熱暴走して音楽再生が止まる → ヒートスプレッダの実装で放熱性がよくなって改善するかも
  4. 最新版にはロマンがあると思っている → よくわかります、迷わず3B+にしましょう

久々に登場した3B+、もしかしたら新物にありがちな問題にあたるかもしれませんが、それを何とかすることも含めてラズパイの楽しみだと思います。今より快適なオーディオ環境が構築できることを祈ります。

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