肩こりの改善にはキーボードの打ち方改善が効果的です。鍵盤(キーボード)を大量に打つピアニストに学びましょう。記事はこちら。

自作フルレンジスピーカーへの挑戦

FX-AUDIOの真空管プリアンプ TUBE-01J オーディオ

Raspberry pi + I2S DAC を試したり、中華デジタルアンプを試したりして、だんだんと「普通の」オーディオ環境から離れて行っています。

ここまで来たら毒食らわば皿まで!ということでスピーカーまで試してみたくなりました。

いわゆる「自作スピーカー」の世界です。

スピーカーユニットとエンクロージャー(箱)があれば音は鳴る

スピーカーは大きく分けてスピーカーユニットと、エンクロージャー(箱)からできています。これに配線性をよくするためのスピーカーターミナルと内部配線、中に入れる吸音材があれば完璧です。

非常にシンプルな構成であり、電子部品を多数使用するアンプに比べるととっつきやすい世界といえるかもしれません。自作スピーカーの愛好家もそれなりにいるようで、スピーカーユニットやエンクロージャーも単体で売られており、ネットショッピングを使えば容易に部品はそろいそうです。

しかしながら、スピーカーユニットの素材や構成、エンクロージャーの材質や形状など、無限大ともいえる組み合わせがある奥深い世界でもあります。

フルレンジスピーカーを実現できるのがうれしい

スピーカーを自作できると何がいいのかというと、商業ベースに乗らないような構成のスピーカーを実現できる点にありそうです。

特に、自作スピーカーの先駆者たちの情報を見てみると、フルレンジスピーカーを実現できるところに魅力を感じている方が多そうです。フルレンジスピーカーとは、左右それぞれのスピーカーに1つのスピーカーユニットしか搭載されておらず、すべての音域をそれらのスピーカーで再生する構成のことです。

オーディオメーカーが販売しているスピーカーはほぼすべて2つ以上のスピーカーユニットを搭載しているマルチウェイ構成です。人間が聞き取れる音の周波数の範囲は広く、すべてを1つのスピーカーでカバーするのは難しいといわれています。そこで、複数のスピーカーユニットにそれぞれの音域を担当させることで、スピーカートータルとして広い再生音域を実現し、かつそれぞれのユニットに余計な音域を再生させる負荷を無くしています。

非常に合理的な構成ではあるのですが、音質的には損をする点もあります。まずいわれるのが理想的なスピーカーは「点音源」であるという点です。点音源とはつまり一点から音が放射されることですが、複数のスピーカーユニットを搭載することで音が複数の点から出ることになり、音の定位が定まりづらくなるそうです。

もう1つは複数のスピーカーユニットに所望の音域を担当させるためのネットワークによる音質劣化です。各スピーカーユニットに所望の音域のみを担当させるため、コイル、コンデンサー、抵抗を使って回路が組まれています。余計なものを通しているわけなのでこのネットワークは音質劣化の要因になる要です。B&WのCMシリーズは第2世代の”S2″でスピーカーネットワークを改善して音質を向上しており、このことが定価が高くなった原因になっているそうです。それだけスピーカーネットワークが重要だということでしょう。

フルレンジスピーカーだとそもそもスピーカーが1つしかないので、点音源に近く、スピーカーネットワークは必要ありません。

フルレンジスピーカーとマルチウェイ構成のスピーカーのどちらがいいかというのは結論が出ない疑問のようです。ではなぜオーディオメーカーがフルレンジスピーカーを売らないかというと、うわさでは、フルレンジスピーカーをオーディオメーカーが売っても売れないのだとか。見た目的に複数のスピーカーユニットがあったほうが音がよさそうに見えるのだそうです。

一方、フルレンジが自作スピーカー好きに好まれるのは、専門知識が必要なネットワークが必要なくて手軽、というのも大いにあるのでしょうね。

楽器の音が響くスピーカーがほしい

せっかく自作スピーカーに走るならやはりフルレンジスピーカーにしたいと思いました。フルレンジだとラジカセのようなレンジが狭くてこもったような音になるのでは?とも思いましたが、よく考えたら高級なヘッドホンもフルレンジですし、ラジカセのようにはならないのではないかと。

目指すは「楽器の音が響くスピーカー」です。

今のスピーカーの構成(B&W CM1 S2 + TEAC SW-P300)は、クラシックの大編成の曲を聴くには迫力があっていいのですが、ソロあるいは小編成のクラシックを聴いたときの楽器の音が不満でした。なんというか、鋭すぎて迫力がありすぎて楽器の響きを含めた音が聞こえないように感じました。

それほど広い音域や迫力を必要としない音楽であればフルレンジのほうが相性がいいのでは?と思いました。

同じ土俵で勝負しても技術やノウハウのあるオーディオメーカーにかなうわけがないので、この辺りを狙っていくのが妥当でしょう。

スピーカー工房 飛びねこのエンクロージャーに注目

そんな目標でいろいろ調査をしました。

スピーカーユニットは既成のものが色々買えるとして、問題はエンクロージャーです。一般的に木でできている材料を組み合わせて箱を作るのですが、これが難しそうです。自分一人でいきなり1から作るにはいろいろな道具をそろえ、それらの作り方を学び、そして丁寧に木工を行う必要があります。

それが趣味ならば全く問題ないのでしょうが、残念ながらそこまでのモチベーションはありません。そこで、お手軽なエンクロージャーキットを探してみました。

候補に挙がったのは、BearHornとハセヒロというメーカー。どちらも組み立ては簡単そうです。しかしながら、BearBornは簡単といえども道具をいろいろそろえなくてはならなさそうですし、ハセヒロは意外と高い。。。

そんな中見つけたのが、「スピーカー工房 飛びねこ」のエンクロージャーでした。こちらは特定のスピーカーユニット向けの完成品のエンクロージャーを販売しています。完成品のエンクロージャーなので「自作感」には欠けますが、木工の専門家が作ってくれるので安心感は抜群です。

何よりひかれたのが、飛びねこさんのおっしゃっている、

パイン集成材やヒノキ集成材と言った非常に響きの美しい素材を使ってエンクロージャーを作っています。

という点です。楽器の響きを楽しみたいという目的にはまさに合致したスピーカーでした。

さらに、

硬くて重たい材が良いとされていた時代もありましたが、それももう終焉に近づいていると思います。持ち運びや設置も楽チンで音も良いとなれば言うことはありません。

とも述べられています。確かに、オーディオメーカーが販売しているスピーカーはどれも重く、扱うのは非常に面倒です。

価格も思ったよりもリーズナブルで、魅力的です。

Fostex(フォステクス)のFE88-solを選択

飛びねこさんのもう1つ良いところは、それぞれのエンクロージャーが特定のスピーカーユニットに最適化されているため、スピーカーユニットの選択肢が自動的に絞られるという点です。

オーディオメーカーのスピーカー以上に試聴が難しいので世の中の評判で買うしかないので、ある意味ありがたいです。この世界に詳しい人にとっては選択肢が限られるので欠点になるのでしょうが、初心者にはありがたいです。

色々迷ったり、飛びねこさんに質問を投げたりして、最終的にFostexのFE88-solというスピーカーユニット用のエンクロージャー TDB-88Solにしました。

このFE88-solは限定品のスピーカーユニットで、3,000台(==1,500ペア)しか生産されないそうです。スピーカーユニットにしてはお値段が高めですが、Fostexの限定版のスピーカーユニットは評判がよく、これも期待できるかな?と思いました。飛びねこさんでも試聴して気に入ったスピーカーユニットのエンクロージャーしか生産していないようですし、ある意味折り紙付きです。

とりあえず注文完了、到着待ち

FE88-solも飛びねこさんのエンクロージャーも注文を終え、到着待ちです。

うまく狙い通りの音となるのか、オーディオメーカーにはかなわないという結論になるのか、楽しみです。

(追記):届いたのでレビューです

飛びねこスピーカーのエンクロージャーTDB-88SolとFE88-solが到着 早速組み立てとレビュー
前回の記事で自作スピーカーを検討し、FostexのFE88-solとそれ専用のスピーカーエンクロージャーである飛びねこスピーカー TDB-88Solを注文しました。どちらも迅速に届き、思ったよりも早く音を聞くことができました。巨大な箱の割に...

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