Raspberry pi 向けI2S接続のDACの調査とまとめ

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Raspberry pi 3 + Raspbian + USB-DACで快適なオーディオ環境を楽しんでいます。

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ここまで来たらもう一歩前へ進みたい気がしてきました。それは、I2S接続のDACです。

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I2S接続のDACは音がいい、らしい

I2SとはInter-IC Soundの略だそうで、IC間で音楽を送るための規格です。

デジタルの音楽データとともにそのクロックを送ることで精度の高い伝送が可能なのだとか。

ほかのデジタル音楽伝送手段として有名なのはS/PDIFです。こちらは1本の線でクロックとデータを送るのでどうしてもクロックにジッター(揺らぎ)が乗ってしまい、音が悪くなるそうです。

また、USB接続の場合は非同期転送をサポートしていれば伝送によるジッターの問題はありませんが、電源を一緒に送るという規格上、ケーブルや送りもとの電源設計の素性に音質が大きく影響されるそうです。送り元の高周波ノイズが受け側に伝わってしまい、音質に影響を与える可能性があるとか。

I2Sの場合はクロックとともにデータを送っているので(その点での)ジッターの問題はなく、電源も送らないので送り元の電源の影響を最小限にできます。

ちなみに、SPDIFやUSBにもいいところがあります。I2Sは送信側から受信側に一方的にデータを送り付け、かつそのデータが正しいかどうかをチェックしません。このため、データにノイズが乗って壊れてしまってもそのまま再生されてしまいます。USBにはフロー制御があるのでデータの取りこぼしはなく、SPDIFには誤り訂正があります。

Raspberry pi用I2S接続のDACは安い

さらにありがたいことに、Raspberry pi用のI2S接続のDACはやたらと安いです。

USB-DACだと上は10万円以上が当たり前ですが、I2S接続のものは高くても2万円程度で、5000円程度のものが多いです。Raspberry piさえあれば手軽に試せるのでこれはありがたい点です。しかも、安くてもハイエンドオーディオに負けない音質なのだとか。

使い方もお手軽なことにRaspberry pi専用のものは上に重ねておくだけです。

今のシステムよりも音はよくなるのか?

しかしながら、今の私のUSB-DAC(Marantz HD-AMP1)よりも音がよくなるかどうかは正直不明です。

まず、ジッターについてはUSB-DACなので伝送での問題はなく、かつマランツというオーディオメーカーが作っているものなので内部的にも問題ないでしょう(と信じたい)。

電源についても、「デジタル・アイソレーション・システム」という、USB I/Fと内部を電気的に絶縁する仕組みになっているそうです。

そういった意味で、音楽を伝送する方式という意味では今のUSB-DACとI2Sで根本的に改善される点はなさそうです。

しかしながら、「せっかくここまでやったのだから」I2Sも試したい!という気持ちがある以上は試さない手はないでしょう。

I2S接続DACの候補

そんなわけでまずはRaspberry pi用I2S接続DACの候補を調べてみました。

漏れているものもあるかもしれませんが、調べられた限りで興味を持ったものの一覧まとめとコメントが以下です。

HiFiBerry DAC+

おそらく世界的にデファクトのRaspberry pi用I2S DACです(HP)。

デファクトなので、Raspberry pi用のどのOS(VolumioやRaspbian含み)を選んでもデフォルトでドライバーがあります。このため、おそらく導入が非常に楽です。

さらに、発売元から購入しても送料が安いという点がメリットです。なんと8ドルで日本まで送ってくれるのだとか。本体も30ドル程度なので非常に安く手に入ります。ちなみに、日本のAmazon等でも購入できますが、中間マージンが発生するのでちょっと割高です。

DACにはTI(バーブラウン)のPCM5122を搭載しており、32bit 384kHz再生に対応していてスペック的には十分です。

デメリットとしては、あまりに有名すぎて面白くないのと、DACとしての電源設計的には必ずしも最適なものになっていないらしい点が挙げられます。

とはいえ、導入も簡単そうですし、まずは試してみたい!という目的には一番のDACと思われます。

HiFiBerry DAC+ PRO

こちらもHiFiBerryなのですが、普通のものよりも音質に考慮したものとなっています(HP)。

一番の特徴は、クロック発振器をDACボード上に持っている点です。前述のとおりI2Sはクロックとともに音楽を伝送するのですが、そもそもそのクロックがずれていると音質的には不利です。

音楽ファイルは一般的に44.1kHzと48kHzの倍数のクロックが多いのですが、残念ながらRaspberry piに搭載されているクロック発振器はこれらのクロックを完全に作り出せるものではなく、ジッター(ゆらぎ)が起きてしまうのだとか。

そこで、HiFiBerry DAC+ PROはボード上に音楽ファイル用クロックを正確に作り出せる発振器を搭載し、ジッターを最小限にしているそうです。

また、通常のI2S DACはRaspberry piから電源供給を受けて動作するのですが、このDACは外部電源で駆動するように改造が可能だそうです(デフォルトは電源供給を受ける)。Raspberry piから供給される電源はどうしてもRaspberry piの動作状況によって変動が起こったり、ノイズが起きてしまうため、品質のいい外部電源をつなげられれば音質を高めることが可能となります。

価格は45ドル程度と十分安いです。これもデファクトなので最近のVolumioやRaspbian等に標準でドライバがあります。

安いのがいいけど音質にもこだわりたい場合はこれもいい選択肢となりそうです。

Sabreberry+/Sabreberry32

こちらは日本のたかじんさんという方が設計されて販売されているものになります(HP)

HiFiBerryはTIのDACチップでしたが、こちらはその名のとおりESSのSabreシリーズを使っています

Sabreberry+はES9023(24bit 192kHz)、Sabreberry32はSabre9018Q2C(32bit 384kHz)です。

Sabreberry32はHiFiBerry DAC+と同じくボード上にクロックオシレーターを持っています。

日本の方が設計およびサポートされているのでわからないところがあればすぐに聞けるのがメリットですね。

一方、はんだ付けが必要だったり、ドライバの組み込みにひと手間必要だったりするのが初心者にはデメリットでしょうか。

価格はSabreberry+が5800円、Sabreberry32は19000円です。Sabreberryはさすがにお高めですが、それだけの価値がありそうです。

msBerryDAC

こちらも日本の方(nabeさん)の設計です(HP)。

特徴はデファクトであるHiFiBerry DAC+ PROと互換性を保ちながら音質を向上している点です。このため、ドライバもHiFiBerry DAC+ PROのものが使えます。DACもHiFiBerry DAC+ PROと同じTIのPCM5122です。

具体的には、クロックオシレーターをより高精度なものにしたり、アナログ部の設計を工夫されているそうです。

価格は9980円で、HiFiBerry DAC+ PROの倍ほどと少しお高めです

とはいえ、日本で買えて日本語でサポートが受けられるうえに完成品での販売なので、価格差だけの価値はあるかもしれません。

Terra-Berry DAC

こちらも日本の製品ですが、個人ではなくテラテクノスという会社が設計して販売しています(HP)。

この製品の特長は日本の旭化成製DACであるAK4490を搭載している点です。PCMで32 bit 768 kHzまで再生ができます。

さらに、調べた限りではI2S接続のDACとして唯一DSDの再生ができることをうたってます(DoP形式)。DSDも11.2MHzまで対応と、十分な対応です。

電源もRaspberry piからの入力や、独立電源の入力も可能で、クロックもボード上に搭載と「全部入り」な仕様です。

その分お値段は高く、25000円となっています。また、RCAコネクタは自分ではんだ付けする必要があります。

ちなみに、このTerra-Berry DACとRaspberry piを組み込んだオーディオ機器も販売しているようですが、こちらは10万円と結構お高めです。

(追記) : 後継のTerra-Berry 2 DACを予約しました

Raspberry pi 3 用 DSD 11.2MHz対応 I2S DAC "Terra-Berry 2 DAC" を予約しました
AlloのPiano 2.1 + Kali の音質が思ったよりもよく、ほかのDACも試してみたいという気になってきました。 せっかくな...
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Allo Piano 2.1 HI-FI DAC

Alloというインドの企業が設計/販売しているI2S DACです。

この製品の面白い点は、DACとRCAコネクタを2系統搭載している点です。これにより、

  • ステレオスピーカー+サブウーファーのシステム構築
  • デュアルモノモードでの再生(現在開発中)

ができます。

サブウーファーのほうは単に2系統に同じ信号を流すわけではありません。TI(バーブラウン)のPCM5142というDSP付きのDACを搭載しているため、ステレオスピーカーにハイパスフィルターを、サブウーファーにローパスフィルターを通すことにより、お互いに重ならない周波数の音楽再生を可能としています。

このDSPはユーザーがTIのツールを使って自由にコンフィギュレーションが可能だそうです。

デュアルモノモードとは、1つのチップでLチャンネルとRチャンネルを再生するとどうしてもお互いに音質的に影響を受けてしまうのを、1つのDACでは片方のチャンネルしか処理しないことにより影響を避けるというものです。

こんな仕様を持ったDACはほかにないのでなかなか個性的です。

もちろん専用のドライバが必要になるのですが、AlloはVolumioのチームとしっかり連携しているらしく、最新のVolumioではドライバが標準で組み込まれています。また、Raspbianでもrpi-updateすれば問題なさそうです。

価格は50ドルほどと仕様にしてはお安めです。ちなみに、RCAが1系統でヘッドホンアンプを搭載したPiano HI-FI DACという製品もあり、こちらは29ドルと安いです。

Allo Boss DAC

こちらもAlloの製品ですが、DACは1系統です。

その代わり(?)クロックオシレーターをボード上に搭載しています。クロックオシレーターは日本のNDK製のものを搭載していて高精度なのだとか。

DACはTI(バーブラウン)のPCM5122です。

また、電源設計やアナログ設計にもこだわりを持っており、高音質を実現しているそうです。

こちらも最新のVolumioやrpi-updateを行ったRaspbianではしっかり対応しているようです。

価格は60ドルほどと、Piano 2.1 HI-FI DACよりはちょっと高いですが、1系統のDACで高音質を求めるならいい選択肢かもしれません。

選択肢が多くて悩む…

このように興味を持ったものだけでも様々なDACがあり、非常に悩みます。

どれが自分にとって最適なのか考えながら選ぶことになりそうです。

買うものを決めて注文しました:

Raspberry pi用 I2S DAC - Allo Piano 2.1 HI-FI DAC + Kali Reclockerの購入
前回の記事でI2S DACを試すことを決め、候補を挙げました。 色々悩みましたが、最終的には Allo Piano 2.1 HI-FI...
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